
2025年4月13日から大阪・関西万博(EXPO 2025)の開催が予定されています。そんな中、4月6日に万博会場で、着火すると爆発の可能性のある濃度のメタンガスが検知されました。今回はこの事件の詳細を調べてみました。
万博会場でメタンガスを検知!
万博協会によると、検知した場所は、人工島・ 夢洲
(大阪市此花区)の会場西側「グリーンワールド(GW)工区」にある屋外電気設備の地下ピット。6日午後4時頃、独自にガス濃度を測定したテストラン参加者から通報があり、消防などが調べたところ、爆発のリスクがある空気中の濃度5%を超えていた。引用元:読売新聞
メタンガスを検知したのは、開幕前のリハーサル“テストラン”に参加していた守口市議の寺本けんた議員が、「マンホールからメタンガスを検知」したと消防署に119番通報しました。
消防の確認後、周辺を立入禁止とし、マンホールのフタを開放し自然喚起したところ、ガス濃度は基準値以下に下がり事件はいったん収束しました。
しかし、ガス検知から警戒区域設定まで2時間以上かかり、今回の対応は遅く、スタッフの危険物に対する知識不足から安全性も不十分であったのではないかと波紋が広がっています。
爆発の危険性は?
通報者の元消防士でもある寺本議員によると、今回検知されたメタンガスはマッチやライターで火が付く濃度であると述べていました。
また、寺本議員が爆発の危険性を伝えているにもかかわらず、消防隊到着後すぐに警戒区域の設定や注意喚起をされなかったことや、キッチンカーの運用継続、近隣トイレの使用ができる状態であり、しばらく放置状態であった対応にも苦言を示されていました。
事件の時系列を整理すると、以下に流れになります。
中止の可能性や今後の対策は?
災害・事故時の対応の不十分さは否めませんが、万博開催中止の発表はされていません。
また、2024年の3月にも工事中の火花がメタンガスに引火して爆発する事故があったことや、全面禁煙にもかかわらず、現場内にタバコの灰皿が目撃された情報もあり、管理能力の不十分さと事故の再燃が懸念されています。
公式の安全対策としては、下記の安全対策が講じられています。
1.グリーンワールド工区の新たなハード対策
①東トイレ、西トイレにおいて以下の対策を実施
・便器や配管周囲にシール等を設置し、隙間を埋め、地下ピットからのガス侵入を防ぐ
・地下ピット、天井内に侵入したガスについて、機械換気設備を設置し、強制換気
・地下ピット、室内、天井内にガスの滞留状況を計測するためのガス検知器を設置
※その他の建物についても、上記を基本に、今後の濃度測定結果に応じて、換気設備能力や検知器の設置場所・数量等の対策内容を決定
②屋外の地下埋設構造物での対策
・雨水排水、電気設備等マンホール等の蓋の有孔化等を行い、滞留するガスを排出
※パビリオンワールド工区は、低濃度ガスが検知された地下鉄工事上部エリア、グリーンワールド工区近接エリアで、ガス濃度測定を重点的に実施し、その結果を踏まえて同様の対策を実施
2.グリーンワールド工区、パビリオンワールド工区のソフト対策
・博覧会協会がガス濃度測定を継続的に実施し、ガスが検知された箇所で換気を実施
・博覧会協会HPにて、測定値を毎日お知らせすることを検討。来場者等がわかりやすい公表内容もあわせて検討(工事期間中も、測定結果を定期的に公表)引用元:公式ホームページ
万博開催までまもなくですが、災害時に迅速な対応が適切に取れるように整備されることを期待したいです。そうすれば、安心安全の一大イベントが成功することでしょう。